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キャプティブ保険会社とは

企業が会社資産防衛のために付保している損害保険の重要性は、社会の複雑化/高度化を背景に益々高まっていますが、他方、損害保険の付保に要するコストが適正レベルで競争力があるかは常に検証していかなければなりません。ところが不特定多数を対象にする損害保険事業は「多数の保険加入者の経済活動の安定に資する」という宿命を負っているため、保険会社の提示する保険料は必ずしも特定企業のリスク実態を反映せず、その価格が下方硬直的になる傾向があります。例えば企業がリスクマネジメントの徹底に努力し事故を大幅に減らしても、それが必ずしも当該企業の保険料値下げには結びつかず、他の企業の起こした事故に対する支払原資に充てられてしまうという皮肉な結果に繋がっているのです。

このような損害保険業の持つ構造的矛盾に対処するため、リスクマネジメント分野で先行している欧米大企業では、保険会社が提示する保険料をコストとしてそのまま甘受するのではなく、キャプティブ保険会社と呼ばれる再保険子会社を設立して保険料コストの一層の削減を図ろうという手法が広く普及しています。フォーチュン・トップ500社の80%以上がキャプティブ保険会社を設立しているなど、その総数は米国だけで2,000社以上、全世界では4,500社以上に達しています(日本でも大手電機・医薬メーカー、総合商社、海運会社等70−80社がキャプティブ保険会社を設立しています)。

キャプティブ保険会社とは、自社グループのリスクを専用に処理するために企業が設立する再保険子会社です。キャプティブ保険会社が保険会社との間で再保険契約を結び、一旦保険会社に移転した自社リスク引受(及びその裏返しとしての収益機会)の相当部分を分担することにより、保険引受収益の一部を企業内に取込み、結果として社外流出コストの総額を抑制しようという考え方です。また、キャプティブは引受けたリスクの相当部分をより安いコストで再々保険に出すことで、実質的なリスク負担を回避することも可能です。

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